釜石津波訴訟
この裁判には2件の訴訟を含んでいる。
1 釜石市は正しい避難場所の周知義務違反の損害賠償訴訟
釜石市は平成22 年2月1日釜石市鵜住居地区防災センター(鉄筋2階建)を開設した。地震の避難訓練で防災センターに避難する訓練をしており、東北大震災では、防災センターを実際の避難場所と思いこんで駆け付けた住民が被災した。津波は2階の天上まで至り、34 人救出、69 人死亡。しかし行方不明者の人数は明らかでなく、実際何人が防災センターに居たかは、はっきりしていない。
裁判では、釜石市は鵜住居地区の「避難場所」は常楽寺裏山と鵜住神社であると全戸数に広報してあり、市には過失はなかったとして無罪になった。
2 釜石市立鵜住居幼稚園の園長の不適切避難の損害賠償訴訟
防災センター近くにある幼稚園で、園長はその他教員4名と園児2名を防災センターに避難をした。そのあと園長は幼稚園に戻り、津波が襲来した。園長と職員2名が被害者となり死亡した。被害者の職員は、幼稚園の避難先は鵜住神社になっていたのに、園長が避難先を防災センターとしたため、犠牲となったとして損害賠償を市にもとめた。
地震発生時の津波予想は3mで幼稚園では、津波の到来する高さでなかったが、津波の高さは6mに変更され、その後2分後に津波が押し寄せた。園長は大津波の予見ができず、できたとしても、災害をさけることはできなかったとして、市には過失はなかったとして無罪となった。
(2017年4月25日掲載)