卓球ル-ル


速成卓球ルールの習得
卓球には公式球とラージボールがあり、それに伴い用具やルールも異なります。ここでは公式球のルールについて述べています。ラージボールは、老若男女が卓球を楽しくできるようにしたものです。

公式球とラージボールの違い
主な比較項目 公式 ラージボール
ボール直径 40mm 44mm
ボール重さ 2.7g 2.2~2.4g
ボール色 白又はオレンジ オレンジ
卓球台のサイスは同じ    
台の色
ライトブルー、グリ-ン 白、オレンジ以外
ラケットのラバー 表ソフト、裏ソフト,その他
色は赤と黒
ソフトラバー色は任意
ネットの高さ 15.25cm 17.25cm
試合ゲーム数 5ゲーム,7ゲーム 3ゲ−ム
促進ルール 10分 8分

1卓球の用具

(1)ラケット
シェークハンドラケットとペンホルダーラケットがある。ラケットの板面をブレードといい、これにスポンジとラバーを貼りラケットができ上がる。ラケットのブレードは単板または合板で、85%天然木が条件で残りはカーボン、カラス繊維など何でもよい。

(2)ラケットラバー
ラケット板面にスポンジを貼りその上にラバーを貼り付けた2枚構成と板面に1枚のラバーを貼り付けたものがある。
・表ソフトラバーはラバーシート粒が表にくる(表ぶつぶつのラバーシート)。
凹凸で摩擦が少なく回転をかけにくい。球離れが良いため早いボールを打てる。
・裏ソフトラバーはラバーシート粒が裏になり表面は平らなラバーになる(ラケット板面やスポンジに接触するラバーの裏部分がぶつぶつになる)。摩擦が多く回転を掛けやすく、ドライブ、カットがし易い。
・ぶつぶつの粒が高い、表ソフトラバーを特に粒高(りゆうだか)ラバーという。摩擦力がなく相手のボールの回転をそのままで打ち返すことができる。)
・ラバーの色は黒と赤で両面同色は禁止されている。片面の場合は黒、赤どちらでもよい。
・返球はラケット+手首の先でできる。指、手の甲、ラケットのグリップやサイドに当って返球してもミスならない。ただしラケットのラバーの貼っていない板面に当たった場合はミスになる。

(3)服装
半袖シャツとショートパンツまたはスカート。団体戦やダブルスは同じ服装。ゼッケンはA4版で、コマーシャルをのせてもよい。酒、たばこなど健康害に当たる広告は制限されている。

(4)試合空間と卓球台
卓球台の寸法 幅152.5cm×長さ274cm×高さ76cm ネットの高さ15.25cm。
卓球台の設置される空間 7m×14m×高さ5m

2シングルの試合

(1)試合開始までの流れ

1)卓球台周りの整調
卓球台のネットの張を調べ、台の汚れ、床のすべりが無いようにする。

2)試合主催者からの選手紹介

3)審判の確認事項
競技者の確認 氏名、ゼッケンなどのチェック
用具の確認 ラケット、ラバーのチェック
服装のチェック

4)選手は相互にラケットを交換して問題がないか確認をする。

5)試合球の選択
試合球に複数の種類ある場合はトスをして勝った競技者が選択した試合球とする。
トスとは硬貨を上にあげて裏表を当てる決め方。しかし一般的にはじゃんけんで決める。

6)サービス・レシーブとエンドの選択
トスをして勝った選手はサービス・レシーブかエンドの選択権があり、サービス・レシーブでサービスを選択すれば、相手は必然的にレシーブとなりエンドの選択をすることができる。
ネットをみて卓球台の左右をサイドライン、上下をエンドラインという。選手はエンドラインの後ろで競技を行う。エンドは選手の立ち位置の場所をいう。エンドの選択とはどちらのエンドで試合をするかをいう。チェンジエンドとはエンドの交代をいう。

7)練習 2分間の練習をする。審判がトスで決めたサイドで練習する指示がなければ、その場のコート練習をしても構わない。

8)主審の試合開始で競技者は所定のエンドにつき試合を開始する。

(2)試合形式
対戦の最小単位のラリーは、サーブしてから相手がリターンをする打ち返しの継続で、これで勝利すると1ポイントが付く。ゲームは先に11ポイントを得るとゲームの勝利になる。試合(マッチ)は5ゲーム対戦の3ゲーム先勝で勝利する試合と7ゲーム対戦の4ゲーム先勝で勝利する試合がある。

1)ゲーム
サービス権のある選手のサーブで試合を開始して、サーブは2回連続で行い、そのあとサービス権は相手に移る。ゲームはミスした選手の相手に1ポイントを与え、先取11ポイントで勝利となりゲームは決着する。
試合途中で10ポイントの同点になると、ジュースになり即サービスを交代し(サービスは2本連続で行うため20ポイントになると必ず開始サービスをした選手にサービスが移る)2ポイント連取で勝利は決定する。ジュースになるとサービスは1本交代になる。
次のゲームはチェンジエンドをしてサービス権は移動する。このことは最初のゲームの開始でサービスしたエンドは次のゲームでも同じ場所になることを意味する。試合の公平性を維持している。

2)サーブ
対戦選手は交互にサーブを2回連続で行い、ゲームごとにチェンジエンドとゲームの開始サービスを交代する。また5ゲーム試合、7ゲーム試合の最終ゲームまで進んだとき、どちらかの選手が先に5ポイントをとった時点でサーブ権はそのままでチェンジエンドする。
サーブは2回連続でおこなうため、第1サーブで5ポイントになった場合は同じ選手、第2サーブで5ポイントになれば相手選手のサーブになる。
促進ルール(後述)が適用されると試合は中断して、中断したした時のサーブ権をから再開して以降のサービスは1本交代になる。

3)休憩タイム
ゲーム終了で1分間休憩を取ることができる。ノートやアドバイス、飲料や食べ物を取ることができる。タオルタイム(時間は決められていないが短い時間)はジュース試合も含む合計ポイント6,12,24・・・・6の倍数のゲームと試合の最終ゲームのチェンジエンドでとることができる。試合ではゲーム終了から1分間のタイムアウトをとることができる。個人戦ではコーチがとり、選手は拒否できる。団体戦は個人またはコーチがとるがコーチが優先する。
これ以外にメガネやラケットの汗をいつでも拭くことができるが試合の進行を遅らせてはいけない。また床や卓球台はタオルタイムで拭ける。

3ダブルス試合

ダブルスは2人×2人の試合で、二人の選手がペアを作る。ルールはシングルの試合と同じであるが、ペア同士の試合ならでのルールがある。

(1)サーブとレシーブ
ゲームの開始のサーブとレシーブは必ずネットに向かい卓球台の右半分を使う。最初のリターンの先からは卓球台全面を使用する。開始ゲームのサーブとレシーブの選手は敵対組をつくり、他の選手同士もサーブとレシーブの敵対組を作り、試合が終わるまで変わることはない。
ただし試合の最終ゲームの5点チェンジエンドでかならずレシーバは交代するので注意をする。

(2)ゲームの流れ(Aチーム選手A1とA2対Bチーム選手B1とB2)
試合開始で最初のゲームでは、各チームペアは任意にサーブとレシーブを決めることができる。
【例】
1)Aチームのサーブでゲームが開始されたと仮定し、A1はサーブ、B1はレシーブで開始。
2)ラリーは選手交互に打つ。
A1サーブ→B1レシーブ&リターン→A2レシーブ&リターン→
B2レシーブ&リターン→A1レシーブ&リターン→B1レシーブ&リターン・・・・の順
3)A1サーブ、B1レシーブで2ゲームを行うとBチームにサーブが移る。必ずB1サーブでA2のレシーブでまた2ゲーム行う。

レシーブ選手は次にサーブになる。前にサーブをした選手は、次は守備に回り、チームペアの選手がレシーブになると思えばよい。

(3)ゲームが終わり、次のゲームの流れ
ゲームが終わるとチェンジエンドとなりサーブ権が移り次のゲームに入る。このゲームからサーブする選手は誰でもよく、サーブの選手が決まると試合開始のゲームの敵対組の選手がレシーブになる。

(4)最終ゲームの流れ
ダブルスの試合の最終ゲーム(3ゲーム勝利の5ゲーム目、4ゲーム勝利の7ゲーム目)でどちらかのチームが5点になるとチェンジエンドするが、この5点目がちょうどサーブの交代が発生してチェンジエンドする場合とサーブ交代のないそのままチェンジエンドがある。いれのばあいも、レシーブ側は必ず選手を変えなければならない。

【例】
最終ゲーム5ポイントになったときのサービスとレシーブはB1サーブ、A2レシーブ。6ポイントの開始サービスとレシーブは次のようになる。
チェンジエンドとサービス交代の場合
チェンジエンドをしてA2サービスでB1レシーブ(本来はB2レシーブ)
チェンジエンドのみ場合
B1はサービスを継続してA1レシーブになる(本来A2レシーブ)

4特殊なルール

(1)サービスのルール
サービスは対戦相手からボールが見えることが絶対条件である。
1)トスはエンド後方で卓球台の高さ以上から垂直に16cm以上あげる。ボールは広げた手の上におき回転などせず垂直に上げる。体がサイドラインの外で、エンドラインの前に極端に入らなければフォルトにならない。練習などで気軽に卓球台の上からのサービスは誤りで注意する。
2)ボールが落下途中で卓球台の高さ以上で打球する。この時ラケットが卓球台の下から出でてもよく、サービス途中の打つまで、卓球台の下にラケットがあってもよい。あくまでも注意するのは打点の位置である。
トライアングルにフリーハンド(トスした方の手や肘)や肩、ユニフォームの袖などが入ってはならない。トライアングルとはトスしたボールの頂点とその頂点と同じ高さにした2本のネットサポータがつくる三角形を卓球台に投影した立体三角形をいい、この間に体部分や衣類が入るとフォルトになる。

(2)促進ルール
試合進行を適正にするためのルール―で、特にカットマンの試合時間は長いこともあり、1ゲームの試合時間を10分以内にするためのルールである。
ゲームの途中で10分たつと促進ルール―が適用されゲームは中断する。ポイントが9対9以上ではこのルールの適用のきっかけにならないが、一度促進ルールが適用されるとそのあと全ゲームが促進ルールになる。
促進ルールでは、打数を数えるストロークカウンターが審判に付き、サーブは1本交代とし、中断したサーバからサーブをして促進ルールの試合が開始される。サーバは13回打つまで得点が無いと相手のポイントとなり、サーバは攻め、レシーバは耐えたり攻めたりして試合は緊迫する。

(3)オブストラクション(進路妨害)
進路妨害は相手の返球がセーフかミスが判定されない前に、返球に体やラケットが触れることで失点になる。練習では相手のミスがはっきりするまで、返球のボールを手でつかむ、ダイレクトに返球しないくせをつくる。よくあるケースとして
・卓球台の上でバウンド前にダイレクトに返球に触れた場合の進路妨害。
・返球がコートに入ったか判定できない前に触れた場合の進路妨害。
・ダイレクトにエンドラインを超え、明らかにコートに入らない場合は触れてもセーフになる。
・ネットを越えず横から来た返球はコートに入るとセーフになるので進路妨害をしない。
・相手のコートへ回り込むとき、返球が体に触れるケースの進路妨害。
・ネットより低い返球でネットサポータの金具に当たりリターンすることもあるため進路妨害をしない。がある。

(4)卓球台との接触
試合中に卓球台に接触できるのはラケットだけであるが、手首からの手の接触はフォルトになるになる。肘などの接触はセーフ。卓球台の汗など水分をとるのは、タオルタイムだけてあるがタオルを使わずユニフォームで拭いたりする。床の滑りは審判に申し出て、タオルタイムで拭くことができる。